「数字」から見るバーチャルYouTuberブーム! その収益や市場規模は?


 ますます過熱する「VTuber」(「バーチャルYouTuber」の略)ブーム! 界隈随一の投資系VTuberとして、今回は「数字」の観点から、このブームを定量的に分析していきたいと思います!
  1. キズナアイちゃん、異次元の領域へ!
  2. アイちゃんだけじゃない! 加速するVTuberブーム
  3. VTuberブームがクリエーターにもたらしたもの
  4. VTuberってぶっちゃけ「どれくらい儲かる」の?
  5. VTuberの「数」はどれだけ増えた?
  6. VTuberの「市場規模」とは?
※順位やファン数(チャンネル登録者数)などは、すべて本記事執筆時点(2018/4/10)のものです。また、上位の順位はワンツーを独占しているキズナアイちゃん(1位 / 173万ファン)を1人としてカウントしました。数字はこちらを参考にさせて頂きました:バーチャルYouTuberランキング

※この記事は、世界最古の「個人系バーチャルYouTuber」(自分調べw)として界隈をブーム前からウォッチしてきた、私「ねむ」(83位 / 1万ファン)がお送りします(≧∇≦)/

※年末に書いたこの記事の続きです:「バーチャルYouTuber戦国時代」到来! 「四天王」や「ランキング」も登場! 一大ジャンル誕生か?

※こちら、おなじ内容の動画です~


1. キズナアイちゃん、異次元の領域へ!

もはや説明不要のトップVTuber、「キズナアイ」ちゃん(1位 / 173万ファン)ですが、まずはその偉業を見ていきましょう!

なんと言っても最大のニュースは、TVで冠番組スタート!!!! もはやヲタク界だけのアイドルではなく、完全にメジャーな存在になりつつあると言えるでしょう。


さらに、「クールジャパン」政策推進のため、日本政府公認の存在に!



ついに現実世界にも進出! 六本木ヒルズで、選ばれし100人のファンを集めたリアルイベントを開催! 当然VTuberとしては世界初っ!! YouTubeライブでも生配信され、約2万の視聴者を集めました!



昨年一年間、淡々とハイクオリティなYouTube投稿を毎日続け、ついに大ヒットに至ったアイちゃん! それでも奢らぬこの姿勢に、ただただ手を合わせることしか。。


頑張りすぎです♪ (≧∇≦)/


2. アイちゃんだけじゃない! 加速するVTuberブーム

秋葉原には個人系VTuberの星、「ねこます」さん(5位 / 27万ファン)の 大看板が登場。。!



 「猫宮ひなた」ちゃん(6位 / 26万ファン)、動画を2つ上げただけで、たった10日で10万ファンを獲得! いまでは26万ファンを突破!!



 ついに、不動の「四天王」交代の時期が。。? 私としては、個人系の星としてねこますさんには頑張ってほしいところ!


3. VTuberブームがクリエーターにもたらしたもの

VTuberブームは、クリエーターにとって2つの大きなインパクトをもたらしたと私は見ています。

まず「企業」にとっては
  • これまでのリアルなアイドルのプロデュースと違い、複数のスタッフが協力して一人の人格を作り上げる、自由度の高い「アイドル」プロデュースができるようになった
  • 自社の製品やサービスを擬人化して「アイドル」化し、非常に低コストで効果的な「ピンポイント・プロモーション」ができるようになった
  • 消費者に寄り添った「友達のような」感覚での顧客コミュニケーションが、芸能人やYouTuberに依頼しなくても、自社でできるようになった
  • (もちろん向き不向きがあり、センスも要するため、どんな企業でもできるわけではないと思います)

「会社の擬人化」としては、代表例はナイセンクラウドの「ナイセン」ちゃん(104位 / 6700ファン)でしょうか?


「個人」にとっては
  • バーチャルキャラクターに変身し、正体を隠して「アイドル」になる道が開かれた
  • これまでいろいろな都合で人前に立つのをあきらめていた人が、自分の才能を生かして色んなチャレンジができるようになった
えっと、別に会社辞めなくても気軽に挑戦できるのがVTuberのいいところだと思いますよ! お父さん! もしヒットして軌道にのったら辞めればいいと思いますw

このように私は、VTuberは「新しい表現手法」「YouTuberの進化系」だと考えており、ブームの中で激増はしていますが、「増えすぎ」とはまったく思っていません。
※関連記事:VTuberの「定義」とは!? それはYouTuberの「進化の必然」!

4. VTuberってぶっちゃけ「儲かる」の?

※このセクションはちょっとだけエグい話になるので、配慮して書いたつもりですが、そういうのが苦手な人は飛ばしてもらった方がいいかも。。

YouTubeは、ファン数に応じてYouTuberを「色」でランク分けしています。今回は、これをVTuberに当てはめて、ランク別にだいたいどれくらいの感じなのかをみてみましょう!

私はVTuber市場はまだまだ伸びると思っているので、あくまで「ブームから4ヶ月しか経っていない現時点」での参考値です。


1.「ゴールド」クラス(100万ファン~)VTuber 1名

現時点で国内に30名しかいない、神クラスのYouTuberです。どれくらい収益が上がるかは人によって大きく差が出ると思いますが、その人の名前が有名企業の名前くらいのブランド力を持つと言われているので、それ相応の、企業クラスの収益が期待できると思われます。

VTuberでは、キズナアイちゃん(1位 / 170万ファン)1名のみが該当します。


2.「シルバー」クラス(10万ファン~)VTuber 9名

  • 街で声を掛けられることがあるくらいの有名人
  • 毎月生活していける程度の安定したYouTube再生収益がある
  • メディアからの出演依頼がくる
プロの芸能人相当のクラスと言えそうですね。

VTuberでは、トップ2~10位の9名が該当します。
  • VTuber四天王(輝夜月ちゃん/62万、アカリちゃん/54万、シロちゃん/42万、ねこますさん/27万)
  • 猫宮ひなたちゃん(6位 / 26万)
  • 嫁ノ萌実ちゃん(7位 / 16万
  • 月ノ美兎ちゃん(8位 / 15万)
  • ときのそらちゃん(9位 / 12万)
  • Ami Yamatoちゃん(10位 / 10万)
このクラスに達しても、YouTubeの再生収益だけだと生活できるくらいしかもらえないんですねw 世知辛いのじゃー!!! とはいえ、メディアからの出演依頼もあるので、うまくいけばYouTube以外でそれ以上の収益が見込めそうです。

3.「ブロンズ」クラス(1万ファン~)VTuber 73名

  • 一部で有名だが、街で声を掛けられるほどではない
  • 毎月数万円~十数万円のYouTube再生収益がある
  • 企業から仕事のオファーがくる
特定の界隈での有名人、ってというところでしょうか。

VTuberでは、トップ11位~84位の73名が該当します。
  • 「にじさんじ勢」静凛ちゃんなど(12位 / 7万ファン)
  • のらきゃっとさん(16位 / 7万ファン)
  • 富士葵ちゃん(17位 / 6万ファン)
  • 藤崎由愛(YUA)ちゃん(23位 / 4万ファン)
  • 私、ねむ(83位 / 1万ファン)
  • などなど
収益的には「本業には苦しいけど、副業としてはちょっとうれしい」くらいの感じでしょうか? 1万ギリギリの私でも(私は広告入れてないので再生収益ないですが)超たまーに企業から宣伝のオファーが来ることがあるので、たしかにそれくらいかな? と感じます。

これ以下は、「オパール」クラス(1000ファン~)、「グラファイト」クラス(999ファン以下)、と続きますが、収益的にはブロンズ未満(おこづかいくらい?)になってきます。

YouTuberはみんなが儲けてるわけじゃない! ここテストに出るよ!

ちなみに、よく誤解されるのですが、YouTuberはみんながみんなYouTubeから再生収益を得ているわけではないです。一定基準をクリアしYouTuberの審査に合格して初めて、広告を張って再生収益を得ることができます。また、基準をクリアしていても信念として広告を張らない人もいっぱいいますし、権利的にNGな動画ではいくら再生数が伸びても収益は得られません。
※再生するときに広告が出るかどうかで誰でも簡単に確認できます~

おまけに最近は審査が遅れに遅れており、私も試しに審査依頼してみましたが、3か月くらい待たされてますw 基準をはるかにオーバーしてるはずの「のらきゃっと」さん(16位 / 7万ファン)ですらまだ審査中とのこと。。 これもVTuberブームで依頼が殺到しているせいで審査が追い付いてないのではないかと私は勘ぐっていますw

5. VTuberの「数」はどれだけ増えた?

2017年末のブーム開始から、VTuberの数は激増しました!

年末のブーム直後には100人に満たなかったVTuber。数多くの企業や個人が参戦した結果、たった3か月で1000人を突破! 4か月たった今では1680人! これからまだまだ増えていくでしょう! たーのしー!!!!

数字のイメージをつかむために、あまり超人気すぎない、ちょうどいい感じのVTuber代表として、私「バーチャル美少女YouTuberねむ」(83位 / 1万ファン)の視点でみてみましょう♪


ブーム開始時の年末の時点では「16位」でした~(瞬間最大風速!)


このころは 「のらきゃっと」(16位 / 7万ファン)さんも「にじさんじ勢」(12位 / 7万ファン)もいなかった。。私がヒット前の「そらちゃん」(9位 / 12万)よりも上だったとか、今じゃ考えられないですねw



ブームから4ヶ月。。! いま見たら、「83位」でした!


ちなみに現在の16位は、先ほども登場した、私が美少女活動を始めるうえで影響をうけた、同じく個人系の「のらきゃっと」さん(16位 / 7万ファン)でした。

(ちなみに、当時「のらきゃっと」さんはバーチャル美少女「ニコ生主」をやっていました。私もマネして生放送をやろうとしたのですが、ネット回線がしょぼ過ぎて断念し、仕方なく「世界初! 個人系バーチャルYouTuber」を名乗った経緯がありますw)





6. VTuberの「市場規模」とは?

VTuberに特化した調査結果は残念ながら今のところないのですが、フェルミ推定によりざっくり出してみましょー!!

ヒント:
  • 昨年2017年の「国内YouTuber」の市場規模は219億円
  • 昨年VTuberトップのキズナアイちゃんが年間100万ファン獲得を記録して、国内No.10 YouTuberになった
  • 国内上位10人のYouTuberの年間ファン獲得者数は100万~200万で、そこまで大きな差はない
  • キズナアイちゃんの人気はさらに過熱し、いまは170万ファン超え。四か月で70万ファン獲得したことになるので、今年はもっと上にランクインすることがほぼ確実。というか、このペースだと今年2018年は国内YouTuber 1位になっちゃいそうw
  • 上述のとおり、キズナアイちゃんだけでなく、後続のVTuberもブームにより大きく加速している

というわけで、ざっくり「国内YouTuber市場」の10%くらい、と考えると… 「VTuber市場」は、現時点で「20億円前後」の市場!!! と私は予想します。「割り箸」や「ラノベ」の市場規模が200億円くらいなので、その1/10くらいでしょうか。。 正直、まだそんなに大きくないですが、たったの4ヶ月で新しく生まれた新興市場と考えると、ある程度の大きさですね。まぁ、伸び代しかない! と言えるでしょう♪
※参考:市場規模マップ


そんななか、グリーさんが「100億もの金額をVTuberの市場拡大に投資する」と宣言。。!

現時点ではどう考えても大赤字まっしぐらなはずですが、グリーさんほどの企業が無駄なリスクをとることは絶対に考えられません。VTuber市場が一過性のブームにとどまらない確信があり、それを次世代メディアに成長させるビジョンを持ち、将来的にその覇権を狙う動きと考えられますね!

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というわけで、まだまだ大きくなりそうなVTuber業界! 今回はちょっと趣向を変えて「数字」の観点からの記事でしたが、いかがだったでしょうか? 今後も目が離せませんね!


※この記事では、Twitterの規約を熟読の上みなさんのツイートを引用させて頂いていますが、万が一問題あれば教えてください。